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秘書検定を通じてビジネス教養を鍛える【第2回】

タカ
タカ
前回はお辞儀・敬語についてのお話でしたが、第2回はビジネス文書を作る上での教養についてお伝えいたします。

第1回の「秘書検定を通じてビジネス教養を鍛える」の記事は以下になります。

前回の問題の回答

次の文を適切な敬語を用いて言い換えなさい。

①来客に対して「斎藤部長はさっき外出してしまった」と伝えたい場合はどう言い換えますか。

A.斎藤は只今外出しております。

②課長に対して「部長が今日中にこちらを見てもらいたいと言っていました」と伝えたい場合はどう言い換えますか。

A.●●部長が本日中にこちらをご覧いただきたいとおっしゃっておりました。

ビジネス文書の原則

ビジネス文書では、1文章に1件の内容を掲載することが原則です。

ビジネス文書は社内文書、社外文書、社交文書の3種に基本わけられます。それぞれで微妙に形式が変わってくます。

基本A4縦の用紙に横書きで作成されます。また、数字はアラビア数字を基本的に使用します。例外として固有名詞にはいってくる数字や概算数字、桁が多い数字などは漢字表記で表されます。

ビジネス文書の慣用語句

返信する場合の頭は拝復を用いる

相手の手紙に対して返事を書く場合の頭語は 「拝複」とし、結語は「敬具」を用います。 返信のときに 「拝啓」などとしないように注意します。

時候のあいさつ時候のあいさつには以下のようなものがあります。

時候のあいさつ

時候のあいさつ例
1月お健やかに新春をお迎えのことと存じます。 /厳寒の候/厳冬の候
2月余寒なお厳しい折から向春の候/余寒の候
3月日ましに暖かになりますが / 早春の候/春寒の候
4月よい季節になりましたが / 陽春の候/ 春の候
5月若葉の季節となり/新緑の候/薫風の候
6月梅雨の長雨が続いていますが/ 初夏の候/ 梅雨の候
7月急にお暑くなりましたが 盛夏の候/猛暑の候/炎暑の候
8月立秋とは名ばかりの暑さですが/残暑の候/晩夏の候
9月朝夕はしのぎやすくなり/新秋の候 / 初秋の候
10月秋色いよいよ深まりましたが / 秋冷の候/紅葉の候
11月菊花香る折りから/霜降の候/晩秋の候/向寒の候
12月暮れも押し迫ってまいり ましたが 歳晩の候/初冬の候

ワードで作成する場合、「挿入」タグの「あいさつ文挿入」から上記のような時候の挨拶を一覧から挿入することが出来るため覚えておく必要はなくなります。

前文に用いる慣用句

前文は頭語の次に1文字分空けて書きますが、時候の挨拶のほか、相手の健康や繁栄を喜ぶあいさつ文を入れるのが一般的です。

頭語は基本的には拝啓を用いれば問題ないです。他、拝復(返事を書く際に用いる)・謹啓(格式ばった際に用いる)・前略(前文を略す際に用いる)などもあります。

団体宛ての場合

・拝啓 陽春の候、貴社(貴店、 責行)におかれましては、ご隆盛のこととお喜び申し上げます。

・謹啓 盛夏の候、貴社(貴店、貴行) ますますご発展のこととお喜び申し上げます。

・時下ますますご繁栄のことと拝察いたします。

※他、ご盛栄ご隆昌なども用いられます。

※会社の場合、貴社。お店の場合、貴店。銀行、学校の場合、貴行と使い分けます。

個人宛ての場合

・拝啓 初夏の候、貴殿におかれましては、ご清祥のことと、お喜び申し上げます。

・時下ますますご健勝のこととお喜び申し上 謹啓新秋の候、平素は格別のお引き立て厚く御礼申し上げます。

感謝のあいさつ

・謹啓 晩秋の候、 毎度ひとかたならぬご厚情を撮り 深く感謝申し上げます。

末文に用いる慣用句

用件をまとめる場合

取りあえず、 ごあいさつかたがたお願い申し上げます。

取り急ぎ用件のみ申し述べました。

略儀ながら、書面をもってご挨拶申し上げます。

本来なら出向いてあいさつすべき内容の場合

・まずは、取りあえずご報告申し上げます。

ビジネス文書での敬語

尊敬表現と謙譲表現

理解したらチェックしょう相手方を敬うときに用いるのが尊敬表現。自分を低めて相手を敬う ときに用いるのが謙譲表現です。 両者の違いをよく理解して正しい敬語表現を身に付けるようにしましょう。

名詞の場合尊敬(相手)謙譲(自分)
本人・職業○○様/貴職/貴殿/先生私/当職/本職
団体・組織貴社/御社/貫校/貴店当社/当行/当課/弊社
場所・土地御地/貴地/貴方面/貴県当地/当方面/弊地/僻地
住居貴邸/尊宅拙宅/家/小宅
物品佳品/結構なお品/ご厚志粗品/寸志
手紙ご書面/お手紙/ご書状書面/手紙/書中/書状
意見ご高見/ご高説/ご所感/お申し越し所見/私見/考え/私案/所感
配慮ご配慮/ご高配/ご尽力/ ご助力/ご指導/ お引き立て配慮/留意
授受お納め/ご査収/ご入手/ご笑納/ご一覧拝受/入手/受領/受納/頂戴
訪問おいで / お越し/ご来社/お立ち寄り/ご来臨お伺い/参上/ご訪問
息子ご令息様/ご子息様/お子さま息子
ご令嬢様/お嬢さま/ご息女様
家族皆々様/ご一同様一同/家族一同

参考文献:秘書検定クイックマスター2級/早稲田教育出版