基本のお辞儀
お辞儀にも、最低限押さえていきたい型というものがあります。ちょっとしたことですが、人の印象というものは出会って15秒で決まってしまうといわれていますので、そこを怠るとそれだけで論外扱いされることもあるかと思います。基本であるが上、今一度確認いただいた方が良いですね。
お辞儀は5拍のリズムでおこないます。
- 1拍 頭を下げる時は、さっと下げる。お尻を突き出す様な感じで腰からお辞儀をする。
- 2,3拍 頭を下げた状態で停止。2拍ほど頭を下げた状態をキープ。
- 4、5拍 ゆっくり頭を上げる。頭を上げたら相手と目を合わせる。
男性の場合は、手は真横でズボンのラインに手のひらを合わせる形が良いです。女性の場合は手前で手を重ねてお辞儀をするのが綺麗な形といわれています。
また、挨拶などの声かけは、分離礼といって声とお辞儀を別に行うことが良いとされています。「よろしくお願いいたします」っと言ったあとに5拍のお辞儀をするといった感じですね。
尊敬語と謙譲語
敬語といっても表現が多種多様にあります。知識として知らないと本人もこれが正しいと疑わないでやってしまっているのが殆どだと思います。まずは、尊敬語と謙譲語についておさらいをしましょう。
尊敬語とは、相手に敬意を表す言葉。相手を高めて敬う時に使用されます。
謙譲語とは、相手に対してへりくだって表現することで、間接的に相手を高める時に使用されます。
ここで尊敬語と謙譲語では言い回しがどう変わるのか一例を紹介しておきましょう。
尊敬語 | 謙譲語 | |
~する | なさる | いたす |
言う | おっしゃる | 申す |
食べる | 召し上がる | いただく |
見る | ご覧になる | 拝見する |
聞く | お聞きになる | 伺う・拝聴する |
いる | いらっしゃる | おる |
行く | いらっしゃる | 参る・伺う |
来る | いらっしゃる・お見えになる | 参る |
訪ねる | いらっしゃる | お邪魔する |
知る | ご存じ | 存じ上げる |
気に入る | お気に召す | ー |
死ぬ | お亡くなりになる | ー |
こう見ると「いらっしゃる」の汎用性の高さが伺えますね。この言い回しをシーンに応じて尊敬語・謙譲語と使いわけるのが正しい敬語となるわけです。
例えば、お得意先の会社の人間が見えられて、待たせている状態を想像してみてください。「山中部長はすぐ来ます」と伝えたい場合「山中は只今いらっしゃいます」と尊敬語を使用します。また、社内の人間に対してはこの場合謙譲語を使うことになります。名前も呼び捨てで伝えます。
別のパターンもみてみましょう。自身が務めている会社の専務の奥様が会社にみえられてとします。この場合、専務と奥様に対し尊敬語を使用します。待たせている奥様に対して「山中専務は只今いらっしゃいます」と言うのが正解となります。この場合、呼び捨てにもしません。
シーン上の登場人物をグループ化して、誰に尊敬語を用いるか、誰に謙譲語を用いるかを区別してつかわなければならないということです。日本語って恐ろしく複雑ですね。
アルバイト敬語
アルバイトで当たり前に使用されている接客用語をアルバイト敬語などと呼ばれております。当たり前に耳にしているフレーズも実は間違えているものが、かなりあります。そんな間違ったアルバイト敬語の一例をご紹介いたしましょう。
誤 | 正 |
~でよろしかったでしょうか? | ~でよろしいでしょうか? |
~の方で(お間違えございませんでしょうか) | ~で(お間違えございませんでしょうか) |
とんでもございません。 | 恐れ入ります。 |
すいません | 申し訳ございません。or 失礼いたしました。 |
~(ハッピーセット)になります。 | ~(ハッピーセット)です。 |
当たり前に聞きすぎて違和感の無いものが殆どですが、敬語としては誤りです。まあ、いちいちこんな指摘をされたらうざったいだけですので、自分自身は使わないぞと心に留めておく程度で良いですね。
美化語
単語の前に、「お」や「ご」を付けることで丁寧な言葉にすることを美化語といいます。わかりやすく言うと「飲み物」を「お飲み物」、「本」を「ご本」といった感じです。なんでも「お」や「ご」を付ければ良いというものではなく外来語にはこれらを付けてはいけないとされています。ですが、例外としてビールだけは「おビール」と言っても許されています。また、「ごはん」や「おかず」といった言葉は必ず美化語で表現する言葉になります。
問題
次の文を適切な敬語を用いて言い換えなさい。
①来客に対して「斎藤部長はさっき外出してしまった」と伝えたい場合はどう言い換えますか。
②課長に対して「部長が今日中にこちらを見てもらいたいと言っていました」と伝えたい場合はどう言い換えますか。
答えは、第2回の常識力を鍛えるで発表いたします。お楽しみに♪